四季の風景時計


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<1>3時間 1

鼓膜を擽る可愛い声に、思わず目を細める

愛しい少女の、今すぐにでも会いたい少女の声

一言も聞き漏らすまいと、耳を澄ませる

しかし、その言葉に身体中が凍り付く

慌てて時計を見れば、もうすぐ日付が変わる所だった

震える手で、もう一度、着信時間を確認する

『マジ・・・かよ・・・?』

居ても立ってもいられず、部屋を飛び出す

しかしそこに、少女の姿はなかった

崩れ落ちそうになる体を支えるように

ドアに凭れ掛かる

そのままズルズルと座り込んでしまった

こんな寒い場所で、3時間も待っていたというのか?

オレはその間、何をしていた?

・・・謝らないと

ノロノロとケータイを持ち上げる

出てくれないかもしれない

けれど・・・

オレは、恐る恐る発信ボタンを押した



<目次>  →  『兄妹の距離』 1-2

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<1>3時間 2

そろそろ切り上げるか

そう思った時、ケータイが震えた

発信者は、お袋

一人暮らし初日から勘弁してくれよ、と無視する事にする

暫く震えていたケータイは、留守電に切り替わったのか

大人しくなった

もし、これが明日香からなら

仕事中だって構わず出るのだけれど

確か、まだ持っていないのだから

掛かって来るハズがない

思い出した途端、胸を締め付けられる

手を出してしまわないように、距離を置いた

自分で決めた事なのに

まだ、離れて一日も経っていないというのに

会いたくて仕方がない

これは重症だな、と苦笑した

車に向かいながら、今夜は何を食おうか考える

初日からコンビニじゃ、味気ない

そういえば、明日香は何を食うんだろう?

家族で囲む食卓

今日からそこに、オレの姿はない



→  『兄妹の距離』 1-3

『兄妹の距離』 1-1  ←  <目次>

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<1>3時間 3

車に乗り込むと、ルームミラーにぶら下がる

白いアザラシのマスコットが目に入った

明日香のお気に入りのキャラクター

一緒に行ったショッピングモールで

オレが買い与えた物だった

自分のものに付けろよ、と言うと

お兄ちゃんの車は私のもの!と、無邪気に笑った

オレも、中らずといえども遠からずか、と笑った

まだ、自分の気持ちに気付いていない頃の事だ

また、この車に明日香を乗せる事があるのだろうか

いつでも遊びにおいで、とは言ったものの

いつ来てくれるのだろうか

・・・いやいや、来られちゃ困るだろ

何の為の一人暮らしだよ・・・

溜め息を吐いて、シートに凭れ掛かった

一人になれば、想うのは明日香の事ばかり

このままでは、飯も喉を通らない

誰かを誘うか、とケータイを取り出すと

車の前を人影が横切った

ふと見遣れば、見慣れた後ろ姿

同僚の、英語教師だった

車を持っていないらしく、バス停の方へ歩いて行く

高校時代の同級生でもある

知らない仲じゃない

ケータイの電源を切ってから

車を降りると、声を掛けた

『野上先生』



→  『兄妹の距離』 1-4

『兄妹の距離』 1-2  ←  <目次>

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<1>3時間 4

紗栄子を助手席に乗せると、ステアリングを握った

「で、何を食べさせてくれるのかしら?」

チラリと時計を見れば、午後6時半を少し回った所だった

飯を食ったら

そのまま送って行かなければならないだろう

『紗栄子、今、何処に住んでんの?』

紗栄子と呼ばれたからなのか

住所を尋ねられたからなのか

驚いたような顔をする

「豊川、だけど・・・」

『何、一人暮らししてんの?』

そう口にしながらも、オレは別の事を考えていた

明日香のお気に入りのプリン

近所のスーパーで取り扱いがなくなったと

凹んでいた事を

そのプリンはパスタ屋で売っているのだが

一番近くても、豊川まで行かなくてはならないのだと



→  『兄妹の距離』 1-5

『兄妹の距離』 1-3  ←  <目次>

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