四季の風景時計


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Intermezzo 21

ぽっかりと白い雲が浮かぶ空に

一筋の煙が散ってゆく・・・

俺は学校の屋上で、ボーッと空を見上げていた

「おい、田中」

突然名前を呼ばれ、視界一杯に男の顔が映る

『ぅわちちっ!』

銜えていた物の事を忘れ、呼び掛けに応じようとすれば

自ずと顔に、それが落ちる

慌てて飛び起き、振り払った

「ゴミはゴミ箱へ」

俺の顔を覗き込んでいた男は、それを拾い上げ

上着の内ポケットから小さなケースを取り出し

火を揉み消してから、その中へ仕舞い込んだ

『・・・吸うんだ?』

「偶に、な」

そう言って、黒縁眼鏡の奥の瞳をニヤリと細めた



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Intermezzo 22

「お前、マジメだなぁ」

『・・・はぁ?』

どう考えても不良行為をしていたと思う俺に

そのセリフは嫌味にしか聞こえない

「だってお前、毎日学校来てるだろ?」

『・・・授業は出てねぇよ』

ニコニコと話し掛けてくる男の顔を直視出来ず

俺は目を外らした

「出なくたって構わないさ、義務教育じゃないんだから」

・・・そのセリフは、教師として如何なものだろう・・・

「しかし、屋上に出入り自由な学校も」

「珍しいんじゃないか?」

見回せば、整えられた花壇の周りに

幾つかのベンチが置いてある

その一つに、俺は寝転がっていた

昼休みは、弁当を食べる生徒で賑わう

流石に、授業中の今は俺達二人きりだ

と言うより、昼休み以外は入れないはずなのだ

『・・・鍵掛けてたって、入るヤツは居るだろ』

花壇を管理している園芸部員は

屋上の鍵を預かる事もある

そこから合鍵を手に入れる事など、容易い

「女を連れ込んだり、か?」

チラリと窺うと、男の口元が意味ありげに歪んでいる

・・・前科アリかよ・・・



→  『幕間6』 23

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Intermezzo 23

「オレさ、医者になりたかったんだよね・・・」

「誰にも言った事、なかったけどな」

突然の告白に、俺は驚いてその顔を見る

隣、良いか?と、視線で問われ、小さく頷く

男は、ベンチを小さく軋ませながら座ると

嫉妬心が疼く程に長いその脚を組んだ

「ウチ、貧乏だったから諦めたんだ」

『貧乏って・・・』

「父親がいないんだ、オレ」

『・・・・・』

「まぁ、学費なんかはどうとでもなったんだけど」

「少しでも早く、就職したかったんだ」

「・・・お袋を、早く楽にさせてやりたかった」

何か遠くを見つめるその表情に

俺は、焦りの様な感情が湧き上がる

『・・・後悔してるのかよ?』

男は、ゆっくりとこちらを向いた



→  『幕間6』 24

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Intermezzo 24

「してないよ」

迷いのない、真っ直ぐな視線

「教師だって、夢の一つだった」

「オレは、この仕事に誇りを持ってる」

男は、俺が女だったら惚れてしまいそうな

極上の笑顔を見せた

「田中の夢だって、一つじゃないだろ?」



ぽっかりと白い雲が浮かぶ空に

一筋の雲が走ってゆく・・・

俺は学校の屋上で、空を見上げていた

・・・俺の夢・・・

何も考えずに打ち込んでいた日々

そこから離れる事なんて、考えられなかった

・・・夢は、一つだった・・・

けれど、もう、そこへ戻る事は叶わない

・・・本当に?

他の事など考えられない程、大切なら

どんな形であれ

取り戻す努力をすべきなんじゃないのか?

・・・夢の形は・・・一つじゃない・・・



―to be continued―

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