四季の風景時計


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ハツコイ 1

―――番、愛知県立豊橋北高等学校・・・

アナウンスの後、タクトが降り下ろされる

張り詰めてゆく緊張感

それを解きほぐすように薄暗い客席を見渡せば

その中に、貴方がいた



神経質に、タクトを振る細い指

眉間に皺を寄せながら

真剣な眼差しでスコアを見つめる

教室に満ちる緊張感

一つ一つ丁寧に音を紡いでゆく・・・

「よし、今日はここまでだ」

その言葉を合図に、空気が緩む

タクトを置くと、先程とは打って変わった

屈託のない笑顔を見せた

皆が、帰り支度を始める

何人かの生徒が、先生の周りに集まり雑談を始めた

「お腹減った~!何か食べてかん?」

「チョコ食べたい!コンビニ寄ってこまい」

「おいおい、買い食いなんかせんで、真っ直ぐ帰れよ」

楽器の手入れを終えると、ロッカーへしまう

ちらりとそちらへ目を向ければ

先生と目が合ってしまった

銀縁の奥の双眸が、すっと細められる

その視線に囚われ、動けなくなる



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ハツコイ 2

「気を付けて帰れよ」

先生の言葉に、ハッと我に返れば

周りの生徒達が、怪訝そうに私を見ていた

『お先に失礼します』

そう言って頭を下げると、教室を後にした



帰りは、いつも一人

友達が、いない訳じゃない

方向が違うのだ

それに、家から学校までは徒歩3分

寄り道だって出来やしない

朝は、ゆっくり出来て良いけれど

おかげでいつも、遅刻ギリギリだった

私は中学3年生

受験生だ

もうすぐコンクールがあり

それが終われば引退となる

先生の側に居られるのも、あと少し

でも、私には

皆のように、話し掛ける事が出来なかった

話の輪に、入る事が出来なかった



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ハツコイ 3

音楽の先生は、2人いた

一人は、吹奏楽部の顧問の先生

華奢で繊細な感じの若い男の先生

もう一人は、合唱部の顧問の先生

膨よかでオペラ歌手のようなオバちゃん先生

私のクラスを受け持っているのは

オペラ先生の方だった

私は、オバちゃん先生の受けが悪かった

どちらかというと寡黙で

思っている事を口に出さない態度が

気に障っていたのかもしれない



その日は、校内合唱コンクールの練習だった

ピアノの周りに集められ、パート毎に並ばされる

私は、窓の直ぐ側に立っていた

隙間風がピュウピュウと入り

寒くて煩くて、集中する事が出来ない

何度もチラチラと窓を見ては

ソワソワと体を揺すっていた



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ハツコイ 4

あと10分もすれば授業が終わる

そんな時、気付いてしまった

鍵が、ちゃんと掛かっていない事に

下りてはいるが、ズレていて

その所為で、窓が少し開いていたのだ

気付いてしまえば、気になって仕方がない

そっと窓に近付くと、一旦鍵を上げ

しっかり窓を閉めてから鍵を掛け直した

案の定、隙間風は入らなくなり、音もしなくなった

これで、授業に集中出来る・・・

そう思って振り返ると

オペラ先生が私を睨み付けながら言った

「このクラスには」

「真面目に授業を受けない生徒がおるだね」



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