四季の風景時計


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桜の約束 1

深夜までのバイトを終え

家族を起こさないように、足音を忍ばせながら階段を上る

自分の部屋の前まで来ると

向かいの部屋から、啜り泣くような声が聞こえて来た

『・・・明日香?』

小さくドアをノックし、そっと声を掛けると

泣き声はピタリと止まる

静かにドアを開けると

カーテンの引かれた窓の側に置かれたベッドの上に

小さな毛布の山が出来ていた

『明日香・・・起きてるのか?』

徐にベッドへ腰掛け、その毛布の山をポンポンと撫でる

小さく身動ぎして、明日香が、毛布から顔だけを覗かせた

「おにいちゃん・・・」

やはり、泣いていたのだろう

その顔は、薄暗い部屋の中でも分かるほどに

目元が腫れていて

その声は、鼻に掛かって掠れていた



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桜の約束 2

『どうしたんだ?怖い夢でも見たのか?』

そう問い掛けると、明日香はフルフルと首を左右に振り

毛布を跳ね除けるようにして、オレに抱き付いて来る

『明日香?』

「・・・さくらが、さいたの」

明日香を抱き留め、膝の上に抱え上げると

明日香は、顔をオレの胸に擦り付けた

『桜・・・?』

「テレビで、ゆってた。さくらが、さいたって」

『あぁ・・・今年は早いみたいだな』

こちらより九州の方が1週間位ソメイヨシノの開花が早い

恐らく、ニュースでも見たのだろう

「やくそく、したのに・・・」

明日香が呟く

「らいねんは、おはなみに、いこうねって」

「・・・3にんで、いこうねって・・・」

明日香は、その小さな肩を震わせながら鼻を啜り始めた



→  『桜の約束』 3

『桜の約束』 1  ←  <目次>

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桜の約束 3

明日香の母親は、明日香が2歳の時に亡くなったらしい

オレも2歳の時に父親を亡くしているが

2歳になったばかりだったオレには

父親の記憶は殆ど無い

3歳近かった明日香には

母親の記憶が残っているのだろう

・・・こんな小さな身体に

こんなにも大きな悲しみを抱え込んでいたなんて

気が付かなかった

いつも、笑顔だったから

気付かれないようにしていたのかもしれない

心配を掛けさせまいとして

・・・こんな幼い少女が

切なさが、胸を締め付ける

オレでは、その悲しみを埋めてやる事は

出来ないのだろうか

『・・・オレじゃダメか?』

震える身体を抱き締めて、そっと尋ねる

『お花見、オレとじゃ嫌か・・・?』



→  『桜の約束』 4

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