四季の風景時計


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<6>除夜 4

「えっ・・・?」

戸惑いに揺れる、明日香の瞳

その視線を逃すまいと

オレは、覗き込むように見詰め返す

そして、明日香の頬に触れる一筋の髪を

耳に掛けてやり

再度、ふわりと微笑んでみせた

釣られて、明日香も表情を和らげる

・・・明日香が欲しいのは『お兄ちゃん』、か・・・

作った笑顔のまま、唐突に

明日香を、ソファへと押し倒す

『服も下着も、脱がせる為に贈るんだよ』

そう言って、笑みを深めれば

見る見る内に、明日香の瞳は

悲哀の色で覆われてゆく

その現実を認めたくなくて

オレは、明日香を

色欲で塗り潰した

・・・そんな事を繰り返せば

明日香は、どんどん弱っていった

その心を支え、繋ぎ止めていたのは

『兄』の笑顔と言動

それを判(わか)っていて

いや、解(わか)っていたからこそ

オレは、そこに付け込んで・・・

気付けば、家に帰る約束の日になっていた



→  『赤い鎖』 6-5

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<6>除夜 5

『お袋には電話しとくから、ゆっくり寝てろよ』

明け方近くまで苛んでいた身体を

『兄』の笑顔で労わる

髪を優しく撫でてやれば

明日香は、甘えた表情を浮かべてコクリと頷き

落ちるように眠りに就いた

『夜更かしして、明日香は、まだ寝てる』

そう、お袋に連絡すれば

「あんたが、明日香ちゃんを連れ回してたんでしょう」

と、呆れたような声で窘められた

・・・そう言えば、出掛ける予定だって言ったんだっけ

結局、爛れた時間を過ごしただけだったけれど・・・

昼前には明日香も目覚め

身支度を整えると、家に向かった

遅めの昼食を済ませ

早速、大掃除を始めるが

遅れは取り戻せず

結局、大晦日の今日も、半日を潰してしまった

精力的に、お袋を手伝う明日香

その顔色が優れない事に気付いていながら

見て見ぬ振りをしていた

そして、とうとう

夕食の片付けをしようと立ち上がった直後

明日香は、真っ青な顔でしゃがみ込んでしまった



→  『赤い鎖』 6-6

『赤い鎖』 6-4  ←  <目次>
 
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<6>除夜 6

「明日香ちゃん!?」

お袋が驚いて駆け寄るより先に

オレが、明日香を抱き上げる

ソファへ横たえれば

お袋が、心配そうに

明日香の顔を覗き込んだ

「大丈夫?具合、悪いの?」

「・・・ん、ちょっと身体が怠いかも」

そう、明日香が答えれば

「昨日から、顔色が良くなかったからな・・・」

「寝不足で、風邪でも引いたか?」

親父が、明日香の額に手を当てた

オレは思わず、その手を払ってしまいそうになり

拳を握り締め、グッと堪(こら)えた

・・・相手は、明日香の実の父親なのに・・・

明日香に膝を貸しながら

TVのバラエティー番組を点けた

少しでも、明日香に笑ってもらいたくて

お袋が、キッチンで

カチャカチャと音を立て始める

その手伝いをしようと

起き上がろうとする明日香を

オレは、強引に引き寄せた



→  『赤い鎖』 6-7

『赤い鎖』 6-5  ←  <目次>
 
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<6>除夜 7

「今年は、鐘撞きは中止だな」

向かいのソファに腰を下ろした親父が言うと

明日香は、悲しげに眉を顰めた

「え、行かないの?」

「風邪を拗らせたら、元も子もないだろう?」

「でも・・・」

毎年恒例、3人で出掛ける除夜の鐘撞き

お袋は、寒いのが苦手だから

と、留守番しながら年越し蕎麦の準備をしている

明日香は、イベントが大好きだ

特に、家族で過ごす時間を、とても大切にしている

だから、今夜も楽しみにしていたんだろう

宥めるように髪を撫で、その顔を覗き込めば

警戒の色を滲ませた明日香と、視線が絡み合う

暫し、瞳を揺らしていたが

何かを思い付いたかのように、明日香が口を開いた

「お兄ちゃん」

『何?』

「私の代わりに、鐘を撞いてきて?」

『っ!』

明日香のお願いは、オレの最優先事項だ

例え、それが、少しでもオレと離れていたい

という思いからであったとしても

『・・・分かった、行ってくるよ』

明日香に微笑み掛け、そっと立ち上がれば

「じゃあ、車を出そう」

と、親父もキーを取り出す

『直ぐに帰って来るから、ちゃんと休んでろよ!』

そう言い置いて、親父と二人、家を出た



→  『赤い鎖』 7-1

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