四季の風景時計


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除夜の鐘 前編

見慣れた天井

カーテンの向こう側は、まだ薄暗い

一定の温度に保たれているはずの室内も

明け方は、冷え込みがキツい

ゆっくりと起き上がり、深呼吸する

この季節にしては、珍しく身体が軽い

・・・何だか良い事がありそう・・・

隙間から漏れ始めた光を見ながら

思わず、口元が緩んだ



ほうじ茶を啜りながら、伝票を捲っていると

カラリと扉が鳴り、来客を知らせる

「こんにちは」

良く通る、けれど穏やかな

初めて聞く声に、視線を上げた

歳は、私より5つ程上だろうか

通った鼻筋

形の良い薄めの唇は、柔らかく弧を描いている

ダークブラウンの髪は、ふんわりと後ろに流され

シルバーフレームの奥の瞳は、くっきりとした二重瞼

それが、優しげに笑みを湛えている

誰もが振り向く美形、という訳ではないけれど

私の好み、ど真ん中ストライクだ

特に、眼鏡が・・・



<目次>  →  『除夜の鐘』 中編

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