四季の風景時計


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除夜の鐘 後編

「雪が降りそうね~」

毎年恒例になっている、除夜の鐘撞き

社長と、社長の奥さんに連れられて

山門を潜(くぐ)った

「こんばんは」

もう、耳に馴染んだ声

驚いて、振り向けば

初めて見る、私服姿の彼

いつものスーツ姿も素敵だけれど

こっちも素敵・・・

「甘酒もらっといで~」

背中を押されて、二人きり

目線の高さにある、彼の肩が近い

逸(はぐ)れるといけないから、と手を握られて

「冷えるね」

彼のコートのポケットの中は暖かくて

こんな薄暗い境内でなければ

耳まで真っ赤なのを、からかわれていたかもしれない

「そろそろ、年が明けるかな」

時計を見れば、0時まで3分もない

今年も無事、年を越せそうだ

後何回、新年を迎えられるだろう・・・

「豊田(とよだ)さん」

呼ばれ、顔を上げると、真剣な眼差しの彼

「僕と、付き合って欲しい」

108回目の鐘が鳴る

「・・・今年からは、二人で、鐘を撞きに来ないか?」

彼の耳も、真っ赤になっていた



―END―

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『除夜の鐘』 初めから読む  ←

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